
東京都・世田谷区・都心エリアの住宅地
家族構成
夫婦(30代) 子(2人)
法的条件
建ぺい率/容積率=60%/200%
第2種住居地域・準防火地域・第2種高度地区
土地の特徴
土地面積:43㎡
相続で分割された都内の小さな土地を購入
南側道路・隣接建物がやや混み合う
コンセプト
飾り気のない、シンプルで素朴な三角屋根の家
板張りの外観
内部は自分たちで壁を塗装する
小さくても家族で広々と暮らす
建物概要
設計監理:加藤幸彦(エス)
施工:株式会社内田産業
竣工:2014年
設計期間:6ヶ月
施工期間:5ヶ月
床面積:64㎡(3層合計)・テラス3㎡
外装:レッドシダー材(無塗装) ガルバリウム鋼板
内装:針葉樹合板に塗装 石こうボードに施主セルフ塗装 オークフローリング
設備:特注キッチン ユニットバス 床暖房
窓まわり:アルミサッシ 特注玄関ドア 木製サッシ
外部:ウッドデッキ
小さな三角屋根の家
外壁はカナダ産のレッドシダー材。時とともに風合いが出てくるように、あえて「無塗装仕上げ」としました。
玄関前にはシンボルツリーの「シマトネリコ」。木漏れ日の下を通って家の中へ入ります。
玄関の上部にある木製の縦格子スクリーンは、同じレッドシダー材でつくりました。外の視線から家の中を柔らかくガードしつつ、優しい風を室内に取り込みます。
土間と階段のつながり
そのつきあたりに光を取り入れる縦長の大きな窓、そして2階リビングルームへの階段。
小さな家だからこそ、ゆったりした土間をつくる。
常識的な機能にしばられない、目的を限定しない余剰空間をつくることが「設計のコツ」。
2階リビングルーム
西側に広さ2畳弱のテラス。この小さな外部空間はリビングに寄り添って、ここでの暮らしをぐっと豊かにする役目。西日がやさしく室内を照らす。
手づくりの素材感。自分たちで塗ったうすいグレーの壁、木目の残る白い壁、ラフな風合いのオーク材の床。
小さなテラスのあるキッチン
木漏れ日のような西日が、午後の時間の移り変わりを感じさせてくれる。
特別につくったステンレス製のキッチンは、欲しい機能だけをきちんと組み込んだシンプルなデザイン。
最上階ロフト・1階寝室
天井のとても低い小さなスペースだけれど、光の向きや空間の広がる方向がうまく作用して、ゆったりとした気持ちのいい場所になりました。
1階の寝室は、家の中でもっとも独立した場所。2階リビングから下りて、土間をとおって寝室に入ります。
手づくりの楽器のような家
視覚だけでなく、素材感や距離感のリズムを大切に。
年月とともに風合いがでる、手づくりの「小さな楽器のような家」。
そんなことを考えながら丁寧にデザインした「チトケトハット」です。